こんばんは。
あっという間にフィガロの結婚、もう今週末に開幕です!
本当に素晴らしいプロダクションです。
指揮、演出、歌手陣・・・どれをとっても一流なのはもちろんなのですが、相乗効果で作品の持つパワーやメッセージ性が最大限に引き出されていると感じます。
演出の宮本さんも指揮のサーシャさんも、普段の稽古からそうですが、とても人を尊重しているなあという印象がありまして、 それは譜面に大しても同じです。その愛情やあたたかさが音楽や演出からも伝わってくるんですね。
人によって愛情の示し方はそれぞれですが、お二人はやさしくそっと包み込んでくださる感じ(と私が勝手に感じている笑)なので、作品全体がキラキラと愛に包まれている、そんな風に感じます .。゚+.(・∀・)゚+.゚
私はというと、やっと舞台に慣れて来て・・・もう本番。ああ、ドキドキする!
オペラは今回が初めて!という皆さん。
とりあえず耳を開いて、音のシャワーを浴びてみてください!オーケストラと歌の生音、気持ちいいですよ。綺麗すぎてうっとりします♪
そして、このフィガロの結婚は登場人物が多くて話が少しわかりずらいので、ほんのちょっとだけ説明します。
まず、タイトルの通り主人公はフィガロ。
アルマヴィーヴァ伯爵に使える召使いです。その恋人が、伯爵の奥様の召使いスザンナ。大筋はこの2人が結婚する!というお話です。
ででで、オペラブッファ(おどけた、滑稽なオペラの意→喜劇)というのは基本的に1日24時間内の話なので、3時間以上ありますが1日のお話(笑)2人の結婚式の日に様々な困難があり、最後はみんな幸せ大円満!なのですが・・・抑えておいて頂きたい点はここ!
領主のアルマヴィーヴァ伯爵は、今の奥さんである伯爵夫人(名前はロジーナ)と結婚する時に、領主の権利であった初夜権を廃止しました。
この権利は、領地内で結婚するカップルの花嫁の初夜は、花婿より先に領主がいただいていいというもの! 領地内の平民は、伯爵の英断に大よろこびでした♪
ところが、ラブラブだった夫人との仲も最近は冷めきっており、城内の色々な娘にちょっかいを出す日々。スザンナのことも気に入っているので、どうせならフィガロとスザンナの結婚から、初夜権を復権して彼女と寝たい!いいじゃないか、もともとあった権利なんだし。 でも平民たちからしたら、もし権利が復活してしまうと、これから結婚するみんなが嫌な思いをする・・・ってなことで、
初夜権復活を阻止したい平民側(フィガロ・スザンナ)+夫人 ⇔ 貴族側(伯爵)
といった構造が根底にあります。
そう!農民たちは必死です。フィガロたちに協力して、どうにか平穏に結婚できるようみんなで画策しているのです。今回私が演じる花娘も、その一員。結婚式の場面では花嫁のヴェール(私は白いヴェールの方です)を持って登場し、無事結婚式が終わるよう皆で宴を盛り上げます。
オペラはその当時の検閲を逃れつつ、政治的メッセージが含まれているものも多いのです。フィガロの結婚もそのひとつ。ボーマルシェの原作は貴族に対する風刺が散りばめられているのですが、それを表面的にはまろやかにした感じですかね。
そこに、他のキャラクターたちの目論見や事件が絡んで来て、ごちゃごちゃバタバタになっています(笑)
相関図はこちらがわかりやすそうです。全部書くのは無理でした(笑)
演出によって多少違う部分もございますが、お暇な方は見てみてね♪
あと個人的に今回お気に入りなのは、伯爵のところに奉公に来ている貴族の美少年ケルビーノと伯爵の関係。
ケルビーノは、美しい伯爵夫人に恋をしています。そしてその熱情に、夫を愛している夫人も心奪われてしまいそうに・・・。フィガロの結婚の後の戯曲では恋仲になって子どもまでできてしまうのですが、伯爵夫人は結局こういうタイプの男に弱いんですね〜!美しくて、ロマンチストで、傲慢で・・・(ケルちゃんはまだそんな風には見えないけど)
人間、変われることもあるけど、変われないことも、ある(笑)
ケルビーノの行く末は伯爵のような男、ということで、今回2人が同じようなことをいっぱいしていて面白いです。
伯爵と夫人の冷めた関係の解釈も、思いもよらないリアルなものだったので新鮮でした!
よくある描かれ方だと、伯爵がただの女好きで、伯爵夫人が愛されなくなった可哀想なひとみたいな。
夫人は自殺を思うほどに追いつめられていますが、始まりは小さなすれ違いから生じたもの。
伯爵からしたら、この領地を治めるという大役を務めているのだから、少しばかり女遊びをすることなんて浮気でもなんでもなく、そのくらい当たり前のこと。でも夫人にはその感覚がわからない。
わからないから悲しむ・・・あの人はあんなに一途だったのに変わってしまったのね・・・。
伯爵からしたら、自分は何も変わっていないのに夫人が笑わなくなった、ふさぎ込んで怒りっぽい。あんなに可愛かったのに今は全然だ。しかも理由はわからない!
・・・というわけで、お互いに自分は変わっていないのに、相手は変わってしまったと思っていて、溝がすっごく大きくなってしまっているんです。
人によって自分の“普通”って違うから、そういうのって現代でもたくさんありますよね。違うから面白いけど♪
亜門さんの演出では、「フィガロの結婚」をただの喜劇として描かず、貴族も平民もみんなそれぞれ精一杯生きて、悩んで、失敗して、成長する、そんな人間のどうしようもないけれど愛らしい、そんな姿を描いています。
誰が悪い・良いという話ではなくて、みんながみんな必死でやってきた結果今があって、そして未来が続いて行く、そんな人生に対する大きな愛の話!
・・・と私は感じている(笑)
関係者のみなさま、色々違ったらすみません( ̄▽ ̄)
ちょっとのつもりだったのに、書きすぎました〜!
会場は広いので、上の階の方は双眼鏡があった方が楽しいかもしれません。
ちなみに私が好きな、初心者向けのオペラ解説本はこちらです。
朝倉めぐみさんのイラストがめちゃくちゃ可愛い!!!
10年以上前の本なので最新の歌手は載っていませんが・・・見ているだけで楽しいです♪
当時、市立図書館でこの本と出会ったので、お近くの図書館にもあるかも!?です。
フィガロのページはこんな感じ。ケルビーノが、悪そうでいいですね♡
おかげさまで17日はチケット完売です!
お悩みの方は是非15日に♪ 劇場でお待ちしております。
あっという間にフィガロの結婚、もう今週末に開幕です!
本当に素晴らしいプロダクションです。
指揮、演出、歌手陣・・・どれをとっても一流なのはもちろんなのですが、相乗効果で作品の持つパワーやメッセージ性が最大限に引き出されていると感じます。
演出の宮本さんも指揮のサーシャさんも、普段の稽古からそうですが、とても人を尊重しているなあという印象がありまして、 それは譜面に大しても同じです。その愛情やあたたかさが音楽や演出からも伝わってくるんですね。
人によって愛情の示し方はそれぞれですが、お二人はやさしくそっと包み込んでくださる感じ(と私が勝手に感じている笑)なので、作品全体がキラキラと愛に包まれている、そんな風に感じます .。゚+.(・∀・)゚+.゚
私はというと、やっと舞台に慣れて来て・・・もう本番。ああ、ドキドキする!
オペラは今回が初めて!という皆さん。
とりあえず耳を開いて、音のシャワーを浴びてみてください!オーケストラと歌の生音、気持ちいいですよ。綺麗すぎてうっとりします♪
そして、このフィガロの結婚は登場人物が多くて話が少しわかりずらいので、ほんのちょっとだけ説明します。
まず、タイトルの通り主人公はフィガロ。
アルマヴィーヴァ伯爵に使える召使いです。その恋人が、伯爵の奥様の召使いスザンナ。大筋はこの2人が結婚する!というお話です。
ででで、オペラブッファ(おどけた、滑稽なオペラの意→喜劇)というのは基本的に1日24時間内の話なので、3時間以上ありますが1日のお話(笑)2人の結婚式の日に様々な困難があり、最後はみんな幸せ大円満!なのですが・・・抑えておいて頂きたい点はここ!
領主のアルマヴィーヴァ伯爵は、今の奥さんである伯爵夫人(名前はロジーナ)と結婚する時に、領主の権利であった初夜権を廃止しました。
この権利は、領地内で結婚するカップルの花嫁の初夜は、花婿より先に領主がいただいていいというもの! 領地内の平民は、伯爵の英断に大よろこびでした♪
ところが、ラブラブだった夫人との仲も最近は冷めきっており、城内の色々な娘にちょっかいを出す日々。スザンナのことも気に入っているので、どうせならフィガロとスザンナの結婚から、初夜権を復権して彼女と寝たい!いいじゃないか、もともとあった権利なんだし。 でも平民たちからしたら、もし権利が復活してしまうと、これから結婚するみんなが嫌な思いをする・・・ってなことで、
初夜権復活を阻止したい平民側(フィガロ・スザンナ)+夫人 ⇔ 貴族側(伯爵)
といった構造が根底にあります。
そう!農民たちは必死です。フィガロたちに協力して、どうにか平穏に結婚できるようみんなで画策しているのです。今回私が演じる花娘も、その一員。結婚式の場面では花嫁のヴェール(私は白いヴェールの方です)を持って登場し、無事結婚式が終わるよう皆で宴を盛り上げます。
オペラはその当時の検閲を逃れつつ、政治的メッセージが含まれているものも多いのです。フィガロの結婚もそのひとつ。ボーマルシェの原作は貴族に対する風刺が散りばめられているのですが、それを表面的にはまろやかにした感じですかね。
そこに、他のキャラクターたちの目論見や事件が絡んで来て、ごちゃごちゃバタバタになっています(笑)
相関図はこちらがわかりやすそうです。全部書くのは無理でした(笑)
演出によって多少違う部分もございますが、お暇な方は見てみてね♪
あと個人的に今回お気に入りなのは、伯爵のところに奉公に来ている貴族の美少年ケルビーノと伯爵の関係。
ケルビーノは、美しい伯爵夫人に恋をしています。そしてその熱情に、夫を愛している夫人も心奪われてしまいそうに・・・。フィガロの結婚の後の戯曲では恋仲になって子どもまでできてしまうのですが、伯爵夫人は結局こういうタイプの男に弱いんですね〜!美しくて、ロマンチストで、傲慢で・・・(ケルちゃんはまだそんな風には見えないけど)
人間、変われることもあるけど、変われないことも、ある(笑)
ケルビーノの行く末は伯爵のような男、ということで、今回2人が同じようなことをいっぱいしていて面白いです。
伯爵と夫人の冷めた関係の解釈も、思いもよらないリアルなものだったので新鮮でした!
よくある描かれ方だと、伯爵がただの女好きで、伯爵夫人が愛されなくなった可哀想なひとみたいな。
夫人は自殺を思うほどに追いつめられていますが、始まりは小さなすれ違いから生じたもの。
伯爵からしたら、この領地を治めるという大役を務めているのだから、少しばかり女遊びをすることなんて浮気でもなんでもなく、そのくらい当たり前のこと。でも夫人にはその感覚がわからない。
わからないから悲しむ・・・あの人はあんなに一途だったのに変わってしまったのね・・・。
伯爵からしたら、自分は何も変わっていないのに夫人が笑わなくなった、ふさぎ込んで怒りっぽい。あんなに可愛かったのに今は全然だ。しかも理由はわからない!
・・・というわけで、お互いに自分は変わっていないのに、相手は変わってしまったと思っていて、溝がすっごく大きくなってしまっているんです。
人によって自分の“普通”って違うから、そういうのって現代でもたくさんありますよね。違うから面白いけど♪
亜門さんの演出では、「フィガロの結婚」をただの喜劇として描かず、貴族も平民もみんなそれぞれ精一杯生きて、悩んで、失敗して、成長する、そんな人間のどうしようもないけれど愛らしい、そんな姿を描いています。
誰が悪い・良いという話ではなくて、みんながみんな必死でやってきた結果今があって、そして未来が続いて行く、そんな人生に対する大きな愛の話!
・・・と私は感じている(笑)
関係者のみなさま、色々違ったらすみません( ̄▽ ̄)
ちょっとのつもりだったのに、書きすぎました〜!
会場は広いので、上の階の方は双眼鏡があった方が楽しいかもしれません。
ちなみに私が好きな、初心者向けのオペラ解説本はこちらです。
朝倉めぐみさんのイラストがめちゃくちゃ可愛い!!!
10年以上前の本なので最新の歌手は載っていませんが・・・見ているだけで楽しいです♪
当時、市立図書館でこの本と出会ったので、お近くの図書館にもあるかも!?です。
フィガロのページはこんな感じ。ケルビーノが、悪そうでいいですね♡
おかげさまで17日はチケット完売です!
お悩みの方は是非15日に♪ 劇場でお待ちしております。
コメント
コメント一覧 (10)
「星に願いを」番組史に残る傑作だと思うんですが
音のシャワーたっぷり浴びてまいりました。予約していただいた席、高所、最前列で見晴らし抜群で、3時間ゆったり鑑賞できとても良かったです。そのせいか藤原さん登場と同時に即認識できました。衣装もとても似合っており、まさに「かわいい花娘」でした。祝いの場にふさわしい笑顔もたっぷり。素敵でした。たぶん、TV(名曲アルバム)ではみられないと思います。オペラは濃厚ですね。歌手はもちろん、舞台、小道具、衣装まで立派です。
私もこれに負けずと数日ほど、あらすじ、登場人物相関理解に心がけました。そのせいか、歌手さんの演技に注力できました。でも3回位鑑賞しないと真価はわからないと思います。オペラを楽しめる一つの条件は、Stellaのメンバーさんが出演していることです。また、行かせていただきますね。本日はご苦労様でした。
また藤原さんのアドバイスで準備した双眼鏡のお蔭で、藤原さんの表情・所作も手に取るように拝見しましたが、瞳の表現から顔の表情、動作の動きすべてに娘らしい初々しさに溢れており、他の娘さんとは別格の出来でした。
流石にロールキャストに起用されただけのことはあります。これからのご活躍がさらに楽しみな今日のオペラでした。
素晴らしい演技に
重ねてお礼申しあげます。
高校時代(20年近く前ですが…)に音楽の授業で「恋とはどんなものかしら」を観賞したことがあり、それ以来気になっている作品です。あれを歌ってるのはどの登場人物なのでしょうか?
オペラはまだ生で観賞したことがありませんので、どうせなら少しでも知ってる方々が出演してる作品を観賞できたらな~と思いますo(^o^)o
Thank you very much for the very good seat of ”The marriage of Figaro”.Thanks to you I could really enjoy the opera from the bottom of my heart.I can’t believe it was more than three hours long.Time flew.In the future the times when someone says ”Mr. Mori’s memory that Ms.Fujiwara performed a flower girl is so precious now that she is performing Rosina might come.I’m looking forward to it.I really appreciate your consideraion.See you August 20.
Shigeru Mori
ありがとうございます!個人的には悔いの残る作品ですが、またやりたいです♪
いつもありがとうございます!
お楽しみいただけたようでホッとしております。
ご親戚のお菓子、ごちそうさまです
今回の舞台は、セットはシンプルですが衣装など凝っていました♪またこのような大きなプロダクションの公演にも出演できるよう、技術と人格を磨きがんばりたいと思います!
遠方からのご来場、誠にありがとうございました!
お褒めの言葉、嬉しいです。まだ番組に出始めたころ、FullEightさまから沢山のメールやお手紙をいただいたことを思い出しました。
みなさんの応援に恥じぬよう、これからも精進して参ります!またいつかお会いできるのを楽しみにしております
ありがとうございます♪その歌は、ケルビーノくんの歌ですね
なかなかこのような恵まれた公演に関われることも難しいのですが、これからも皆様にオペラの魅力をちょこっとでも感じて頂けるよう、活動して参りたいと思います是非またお出かけください
いつもありがとうございます!
お楽しみいただけて嬉しいです♪将来的に歌うとしたら、ロジーナよりスザンナかな〜!?がんばります。
21日もありがとうございます。お待ちしております